呼び出し


 午後の授業がない日。
 私やリドルにとってとても都合のいい日。
 思う存分闇の魔術の研究ができるから。
 だけど…
 そんな私のささやかな時間を奪う人がいた。

 ……訂正するわ。

 そんな私のささやかな時間を奪う人たちがいた。



 「…ちょっと、一体どういうつもりなの?!」
 「見た目が少し可愛いからって図に乗ってるんじゃないわよ!!」
 「なんで、あんたみたいな女とトムが一緒にいるのよ?!」

 昼下がり。
 中庭に呼び出されて、リドルの取り巻きたちから散々言われ放題の私。
 眠くて返事をする気にもなれないから、何も言わないんだけど。

 「ちょっと、何か言いなさいよ!!」

 何か言いなさいって言われてもね……
 リドルにころっとだまされてるこんな女の子たちに何も話すことなんてないのだけど。

 「…何も言うことなんてないわ」

 女の子たちの顔がますます赤くなった気がした。
 もともと怒りに満ちた表情をしているんだけどね…
 その顔は、本当に不細工で、笑えた。

 「何笑ってんのよ!」 

 顔がにやけてたみたい。

 ばちんっ

 …………
 なかなか痛い。
 平手打ちを頬に受けた。
 ……腫れちゃうかしら、これじゃ。
 痛いものね……

 「あんたなんか、いなくなればいいんだわ」
 「そうよ。私たちのトムに何を言って取り込んだんだか知らないけど、トムはあなたのことなんてなんとも思ってないのよ」

 …そうかもね。
 でも、こうやってリドルの嘘にだまされている彼女たちよりは…意識してるはずよね。
 なんか、ここまでいわれる必要ないわよね。
 頬はジンジンしてるし……
 確かに今日は嫌な予感がしていたけれど…
 まさかここまでやられるとは思わなかったわ。

 ………………………………

 「何黙ってんのよ、さっきから。口が利けないの?!」
 「…それとも、自分が悪いことやってるって認めてるのかしら?」

 …なんか、この高笑いむかつくわね。
 ハッフルパフに、レイブンクロー…それからスリザリンの生徒が二人。
 グリフィンドールの生徒もいるわね……
 結構いっぱいいるじゃない。
 よくよく見れば、いつもリドルの周りにいる人たちだし。
 …あんな…裏で闇の魔術の研究をしている人にころっとだまされるなんて…
 きっと彼が活動を始めたらすぐに殺されるわね……

 「…あなたたち、こういうことして飽きないの?」

 なんとなく、むかついてきたのでつい口を開いてしまった。

 「………」

 それから杖を取り出して、呪文を唱えた。(闇の呪文じゃないわ)
 闇の呪文でもいいかと思ったけれど、教師にばれたときに大変だから、そんなへまをしないように普通の呪文をかけた。

 ……と、言っても、少し強力な呪文。
 彼女たちの体を金縛りにあわせてしまった。
 動けないし、苦しい。
 …痛みは経験済みだからいえる。

 「…何…して……」
 「私に突っかかってくるなら、それ相応の魔力をつけたらどう?」

 くすくす笑って優雅にその場を去ってあげた。
 頬の痛みのお返しだわ。
 …何十倍も苦しいのですけどね、あの魔法は。









 それからたたかれて赤く腫れた頬を人に見られないようにして寮に戻ったけど、リドルにばれてしまった。

 「……………」

 寮の談話室で会話をしているところなんて見られたら、さっきみたいなことがいっぱいあるだろうから、それはしない。
 ただ目で合図して、先にリドルが談話室を出た。
 その後、一度部屋に戻ってから、私も談話室を出た。









 「…どうしたの?その頬」
 「……あなたの可愛い取り巻きにやられたのよ」
 「………………」

 何を思ったのか、リドルは私の腫れた頬に手を触れた。
 リドルの手は冷たくて、心地よかった。

 「…痛そうだね…」
 「痛いわ」
 「まさかやられっぱなしってわけじゃないよね?もしそうなら僕が……」
 「まさか。やられっぱなしなわけがないわ。…金縛りの呪文で体を固めてあげたのよ」

 さすが、と、リドルが笑った。
 私も笑おうと思ったけど、頬が痛くてできなかった。

 「…何か冷やすものを持ってくるよ」
 「いらないわ」
 「でも…」
 「ヴォルの手…冷たいもの」

 ああ、そう。
 そういってリドルは私の頬に手を当てていてくれた。

 「もう少し、普段は距離をおいたほうがいいのかもしれないわね。今日のはさすがにびっくりしたわ」
 「…そうだね。が傷つくとは思わなかった」
 「……そのうちリドルも、私の取り巻きから呼び出されるかもしれないわよ?」
 「そんなことがあったら、傷つけられる前に何かするよ」
 「…そうね。ヴォルならやりかねないわね……」






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 いやぁ…呼び出しって怖いですよ?(笑)
 管理人も経験したことありますが(爆)
 まあ、はそんなことどうでもいいみたいですけども。