隠せない衝撃
マーシャルハイムの古城。故マーシャルハイム卿、現在はゴーストとして世界中を旅行中の彼からヒューが譲り受けたこの城は、小さな丘の上にある。上階の窓から近くの碧玉色に輝く湖を見下ろすことの出来る、眺めの良い立地だ。丘の下には魔法使いの上流階級の人々が多数住まう街がある。
あれから三日、俺たちはヒューに連れられてここに来た。
屋敷全体が魔力に溢れ、魔法研究所の総責任者となったヒューが拠点としている屋敷とあってか、中は清潔に保たれている。
屋敷の中には、マーシャルハイム卿が生前使用していたと思われる魔法道具の数々が展示されていたり、百年以上前の天体図などがあったりと、きっと本来のだったらここにものすごく興味を惹かれたことだろうと思う。
だけどはひどく落ち込んでいて、何も手に付かない状態だ。
案内された広いリビングのソファーに座ったまま、ずっと窓の外や部屋の中を眺めては深いため息をついている。
その手には、痛んだリドルの日記帳が大切そうに握られている。
あの日、部屋に戻ったが目にしたのは、ぼろぼろに朽ち果てたリドルの日記帳だった。
がいくら名前を呼んでもリドルの日記帳は反応しなかった。
ほんの一瞬、最後に現れたリドルは、消え入りそうな姿をしていて……悲しそうな笑みを浮かべた後での身体を抱きしめ、そしてかき消えてしまった。
の手は、リドルの身体を抱きしめ返せなかった。
衝撃が胸に走り、胸の中に大きな穴を開けた。ひどく悲しくて冷たくて……今まで経験したことのない痛みだった。
あの日以来、は日記帳を手放さない。
の落ち込み様は激しく、も心配していたけれど……俺にもにも、の胸の痛みを消すことはできなかった。
今もまだ、は消えたリドルのことを思って夜も眠れていない状態が続いている。
ヒューもがここまで落ち込んでいることに戸惑っているようだった。
きっと、屋敷の中をに案内しようと思っていたんだろうけれど、今のの状況を見るとそうもいかないのだろう。
なにしろは、深いため息をついたまま、ほとんど語ろうとすらしないのだから。
がため息をつくたびに、激しい痛みが胸を襲う。
俺は、ただに寄り添っていることしかできない自分がひどくもどかしい。
「紅茶はいかがですか、・」
「……あ、うん……ありがとう」
小さな執事服をきっちりと着こなしたエーゼルが、銀のお盆を持っての前にぱっと現れた。
温かい紅茶の入ったカップをに渡すと、砂糖とミルクがいるかを聞いている。
首を横に振ったに一礼したエーゼルは、向かい側のソファーに座っているヒューのほうへと歩いていく。そして彼は、紅茶とともにヒューに白い封筒を渡した。
それを見た途端、ヒューの顔色が変わったのを俺は見逃さなかった。
紅茶のカップを持ったまま、ヒューは立ち上がりの元へとやってきた。
「」
控えめに名を呼ばれ、ゆっくりとが視線をヒューに向けた。
「急用が入ってしまってね。これから出かけなくちゃならなくなったんだ。君と一緒に過ごせると思っていたんだけど……帰宅は深夜に及びそうだ」
「……僕のことなら気にしなくて大丈夫だよ、ヒュー」
すまなそうに言うヒューに、は何だそんなことか、とでも言うような顔をし、心ここにあらずといった感じで返事をした。
声に力はなく、動作もゆっくりしていて、なんだかこのままも日記リドルのように消えてしまうんじゃないかと、俺の不安を煽る。
「そうかな……今日の君はひどく落ち込んでいるように見えるから心配しているんだ。本当なら一緒にいたいんだけど……」
と視線を合わせるようにかがみこんだヒューは、の頬を軽く手で撫でた。
は一度うつむきがちにヒューから視線をそらし、口端を上げてから視線をヒューに戻した。
なんだかその仕草がとても痛々しくて、俺はに尾を軽く当てた。
「……大丈夫、だよ。それに大切なお仕事なんでしょう?」
「うん……ごめんね。なるべく早く戻るようにするから。何か必要なものがあればエーゼルに伝えてくれ」
「ありがとう。いってらっしゃい」
きっとヒューもの笑みに痛々しさを感じているんだと思う。
ありがとう、と返事をした後のヒューの表情はもどかしげで、そして悔しげだった。
けれどよほど重要な仕事だったのだろう。紅茶のカップをエーゼルの持つお盆に戻したヒューは、部屋の中心で魔法を唱え、すぐにその場から去った。
その様子をじっと見つめていたが、はっと表情を変え、苦しそうな声で俺の名を呼んだ。
それは今にも消えてしまいそうな声だった。の手が日記帳を強く握りしめている。
この胸に走る痛みはから伝わってくるものなのか、それともか自分のものなのか……たまらず俺はの上に上半身を乗せた。の顔に自分の顔をすり寄せる。
「……みんな、消えちゃうのかな、……」
(消えてしまいそうなのは、のほうだ)
震えた手が確かめるように俺の身体を撫でる。
日記リドルの消滅がに与えた衝撃は計り知れない。あんなに泣いてあんなに取り乱したを見たのは本当に久しぶりだった。
あれからずっとは日記帳を手放さない。
擦り切れた表紙、触れたら朽ち果ててしまうんじゃないかと思うほど痛んだ紙。返事をしなくなった日記帳……
「僕のせいなんだ……」
から伝わってくる痛みが、悲しみだけだったらどんなに良かったことか、と俺は思って仕方がない。
……聡明なは、リドルが消えた理由をすぐに理解してしまった。そして、聡明だからこそ事実を偽って自分をだますことができなかった。
自分を責め立てるの悲痛な叫びが苦しくて切ない。
(のせいじゃない)
「……僕のせいだよ。僕が……僕がリドルを求める感情が変わってしまったから……だからリドルは魔力を保てなくなった。知ってるんだ……わかってたんだ……僕のせいなんだ。僕のせいで……みんな、消えてしまう……」
(お願いだから、そんな風に自分を責めないでくれ。俺はが心配だ)
どうしての頬に伝う涙を舌で拭うくらいしか俺にはできないんだ。その胸の痛みの半分でも俺が引き受けられたらいいのに。
深く息を吸ったは、俺の鬣の中に顔をうずめたまま、嗚咽まじりの声で呟きだした。
「……ヒュー、帰ってくるかな……」
(当たり前じゃないか)
「僕、怖いんだ……怖いんだ、。みんな僕のせいで消えちゃうんじゃないかって……そう思う。毎日夢の中でいろんな人が消えていく。僕はみんなを追いかけるんだけど……追いつけなくて、つかむ前に消えてしまう。いつも最後にはリドルが出てきて悲しそうな顔で笑うんだ。必死に追いかけてるのに絶対に追いつけない。いつか夢のように、みんな消えちゃうんじゃないかって……」
こういうときは人間がうらやましくなる。ヒューならを優しく抱きしめているんだろうな……なんて思うと、うまくのことを抱きしめられない自分の手足にもどかしさを感じる。俺は顔をすり寄せて、零れ落ちる涙を拭うことしかできない。
(そんなことあるわけないじゃないか。疲れてるんだよ、。夜もろくに眠れていないから余計だ。エーゼルに言って寝る支度をしてもらおう。明日の朝になればきっと変わらずヒューがを起こしに来るさ)
けれどは首を横に振って俺を抱きしめた。
「ここで待ってる」
(……)
風邪をひくから部屋に戻ろう、と伝えようとしたけれど、俺はそれを伝えることができなかった。
……俺にはの胸の奥に潜む恐怖がわかるんだ。
日記リドルは、学生時代の姿をしていたとはいえ、が渇望する父親の記憶だ。
ハリーがリドルの日記を貫いたとき、がどんなに悲しんだのか俺は今でも覚えている。あの時のは、どんなものでもいい、たとえ小さな欠片でもいい、と父親の姿を望んでいた。その感情が、かりそめの姿とはいえ日記リドルを復活させることになった。
……だけど、今度は復活をさせることができない。かりそめの姿がいつか消えてしまうこと、は分かっていた。それでもの心はリドルを求めていた。
誰だってあんな風に大切な人が消えてしまったら……たとえそれが日記に封印された記憶だとしても……恐怖を覚えるだろう。
は、ヒューが消え去った部屋の中心を見つめたまま、深いため息をついた。
すっ、と人のやってくる気配がして目を覚ましたのは、草木も眠る時間を過ぎた頃だった。
あの後ずっとと一緒にヒューの帰りを待っていたけれど、を寝室へ案内しにエーゼルが来た時には、疲れきったが先に眠りに落ちていた。エーゼルは暖かい掛布をのために用意してくれ、丁寧にの身体にかけてくれた。
それからしばらく一人でヒューを待っていたけれど、どうやら俺も転寝をしてしまったらしい。
ヒューの気配に顔を上げると、驚いた顔のヒューと目が合った。
ソファーの上のほうから、の苦しそうな声がする。俺はすぐにヒューから視線をに移した。汗ばんだ顔に髪の毛が張り付いている。いつもと同じだ。いつもと同じ夢を見てうなされているんだろう……時折の唇が震えるように誰かの名を呼ぶ。
ヒューもそれに気付いたのか、部屋の電灯に光をともすと、俺たちのほうにやってきた。
「寝室に行かなかったのかい? 疲れて眠ってしまったのかな……」
ヒューは静かにそう言い、の横に腰を下ろすと、の額に張り付いた髪の毛を指で払った。
ヒューを待っていたんだ、と心の中で思いながら、俺もの顔を覗き込むためにソファーに前足をかける。
「……一体、この三日の間に君に何があったんだい……」
ヒューがそう呟きながらもう一度の髪に触れようと手を伸ばした時、が「リドルっ!」と叫びながら苦しそうに身体を起こした。
そのときヒューが眉をひそめたのを、俺は見逃さなかった。
苦しそうに肩で息をしたは、両手で顔を覆い嗚咽を漏らし始めた。まだ夢と現の境にいるのか、感情は混乱したままだ。
俺がにすり寄るよりも早く、ヒューの腕がを抱きしめた。
ヒューも苦しそうな顔をしている。
「……」
「……あ、え……」
戸惑ったが顔を上げ、周囲の状況と自分の状況を確認し、それから飛び退くようにヒューの腕から逃れた。
ヒューが怪訝な顔をしてを見つめている。はヒューから目をそらし、必死に自分の感情を落ち着かせようとしている。
その手が……おそらく無意識に……掛布の上に置いてあった日記帳を探し当てた。
「寝室に行かなかったのかい?」
「……怖かった、から……」
「怖い?」
優しいヒューの問いかけに、がぽろりと本音を漏らした。
でもすぐに、自分の口を片手で覆い、首を横に振った。
ヒューの眉をひそめた顔がを覗き込むと、はそれから逃れようとうつむいて視線をそらした。
きっとまだ、口にするのも辛いんだろう。
俺にだっては……本当にほんの少ししか語ってはくれない。俺たちは感情の共有をしてしまっているから、の感情は俺に伝わってくるし、俺の感情もに伝わる。それがわかっているから、は俺に少しだけ話してくれるけど……言葉にするのをためらっている節がある。
「ごめん、何でもない。何でもないよ、ヒュー。……お帰りなさい」
「ただいま、。怖い夢でも見た?」
「ううん、大丈夫。大丈夫だよ……」
ますますヒューが難しい顔をしてを覗き込む。けれどは、かたくなに首を横に振って大丈夫としか言わない。
その手が、リドルの日記帳をきつく握りしめた。
すると、小さく息を吐いたヒューがもう一度の身体を優しく両腕で包み込んだ。
膠着したの身体と戸惑った感情が見て取れる。
「……わかった。が大丈夫だって言うなら、これ以上聞かないことにする。だけど、何か辛いことがあるなら僕が力になれるかもしれないよ。一人で抱え込みすぎるのは良くない。君は昔から……自分ひとりで抱えてしまう癖があるからね。あの時の僕は頼りなかったかもしれないけれど、今の僕はあの時よりは頼れると思うんだけどな……」
ヒューの手がの背中を軽くたたく。
人間って、そうやって存在を確かめられるところがいいよな、と俺は少しだけヒューがうらやましくなる。
の手が、ヒューの服を軽く握った。
「ヒュー……怖かったんだ……ヒューが帰ってこないかもしれないって思ってた……怖くて仕方ないんだ……」
「……何があったんだい、」
人の言葉と触れ合う温もりは、凍った心を溶かす道具だと思う。
ヒューは昔から自分より年下の人間に対してすごく優しい仕草をしていたし、子供をあやすのも得意なんだと思う。
ヒューの言葉がの心の入り口を溶かしたのか、がぽつりぽつりと語り始めた。それでもその姿はとても苦しそうで、言葉を探しているようだった。
「ホグワーツで一昨年起きた秘密の部屋事件の元凶……それがこの日記帳」
の手が日記帳を握りしめ、ヒューがその日記帳を覗き込んだ。
朽ち果てた表紙に、微かに読めるT.M.リドルの文字。
「これって……」
「ルシウス・マルフォイ氏の屋敷に保管されていた、学生時代の父上の記憶。もちろん、ハリー・ポッターによって秘密の部屋事件自体は収束した。この日記帳も破壊された……んだけどね。どうしても僕、父上の記憶を消し去りたくなかったんだ。それで復活の呪文をかけて、記憶リドルにかりそめの身体を与えた」
うつむいたは苦しそうな笑みを浮かべ、日記帳をぱらぱらとめくりだした。
そこには何も書いていないぼろぼろになった紙が綴られているだけだったけれど、それをめくるの指は愛おしいものを触るかのように優しく動く。
「最初はね、本当に復活させたと思ってた。記憶のリドルは僕の魔力を吸い取って具現化し、感情的になった僕を諭してくれたり、魔法の研究を手伝ったりしてくれた。だけど……僕は気が付いてしまったんだ。彼が、僕の思いによってつなぎとめられているだけにすぎないってことに」
ヒューはただ黙っての話を聞いている。
「それでもしばらくは良かったんだ。相変わらず僕は日記リドルの存在を父上を疑似したものと認識していたから。だけど……僕の感情が変わったのは、ヒューたちと過ごしたあの時代でだと思う。僕はあのとき、クリスマス休暇を父上と母上と一緒に過ごしたんだ。父上は僕にたくさんの魔法を教えてくれて、僕や母上のことをとても大切に扱ってくれた。僕はあのとき、日記のリドルと父上は違うんだって……そう認識してしまったんだ……」
苦しそうな顔を浮かべ、は日記帳を閉じた。
ヒューの手が、をあやすように動いている。
「初めからわかってた。いくら日記帳を復活させたっていっても、彼はもともと破壊されたものだ。いつかは別れが来るんだってわかっていた。だけど……自分の感情が変わったってわかった時、それでも僕はその感情をごまかすことができなかった。日記のリドルは父上に疑似したものではなく、兄のような存在に僕の中で移り変わっていて……求める感情が変わっていた。それが、彼の存在を消してしまうことになった……」
からまた軽い嗚咽が漏れた。
を抱きしめるヒューの腕に力が入ったように思う。
……秘密の部屋事件は有名だ。ホグワーツの誰もが知っている。もちろん、外部にも知れ渡っているし、魔法研究所の総責任者であるヒューの耳に届いていないはずがない。だけど、まさか、その裏でこんなことがあったなんてヒューは思いもしなかっただろう。
「ぼろぼろに朽ち果てた日記帳が僕の机の上に置いてあった。小さな手紙と一緒に。そこにはお別れだ、って書いてあって……何度もリドルの名前を呼んだんだけど、リドルが出てきたのは一度きり。僕を抱きしめて……でも、僕は彼を抱きしめ返せなくて……それで、消えてしまった。まるで大気に溶け込むかのように、かき消えた……」
「……」
「……僕のせいなんだ。僕の……」
またの頬に涙が伝った。
うつむいてしまったを抱きしめているヒューの顔はどこか辛そうだ。
「夢を見るんだ。みんな消えてしまう夢。どんなにがんばって追いつこうとしても、誰にも追いつくことができなくて……みんな消えてしまう。ヒューもも、母上もも……みんな。最後に出てくるのは決まってリドルで、悲しげな笑みを浮かべて僕の元から去っていく。追いつこうと思っても足が動かなくて……だから僕、怖かったんだ……ヒューが……」
「……僕は、ここにいるよ、」
の言葉を遮るように、ヒューは優しくそう呟いた。
でも……と不安そうな視線をヒューに向けるの唇を、ヒューの人差し指がふさいだ。それ以上何もいうな、というやわらかい笑みをしている。
「怖いんだ……」
「うん」
「……だって……僕のために危険な世界に足を踏み込むことなかったのに……僕のせいでもヒューも、みんないなくなっちゃいそうで……」
「うん」
「……うなされて起きて、が隣にいることを確認しないと発狂しそうになる……の体に触れても、が返事をしてくれないと不安になって……僕……」
それでも収まらないの興奮を、ヒューはただ静かに聴いていた。
が落ち着くように、ヒューの手がの背中を優しくなでる。ヒューの胸にすがりついたは、しばらくの間嗚咽交じりに不安を吐き出し続けていた。
「……落ち着いた?」
「うん……ごめんなさい、ヒュー」
それからしばらくして、目を赤くしたがヒューの胸から顔を上げると、ヒューは変わらぬ笑顔をに向けた。
は俺を呼び寄せ、静かに背中に触れた。
「ごめんね、」
なんでもないさ、とに擦り寄る。いつものの香りがした。だけど少し、体は疲れているみたいで俺の体をなでる手の動きはゆっくりだ。
ヒューがをリビングの上階にある寝室へと促した。
は何もいわず、ヒューに連れられていく。その手はヒューのローブの端と日記帳を大事に握っている。
「大丈夫。今度みんなが消えてしまう夢を見ても、目覚めたら僕がちゃんとここにいるよ」
「ヒュー……」
「だからお休み、。きっとその日記帳の主だって、君の笑顔を望んでいるよ」
天蓋つきの大きな寝台にの体を横たえたヒューは、ベッドの端に腰掛け、に掛布をかけた。
不安そうな顔のの額に軽く触れたヒューは笑みを浮かべ、に目を閉じるよう囁いている。
よほど疲れていたのだろう。の鼓動の音は徐々に安定してきて、が眠りについたんだな、とわかる。
大きな不安を抱えていて、眠ることに精神が逆らっていても……の肉体はそろそろ限界なんだと思う。
ヒューの大きな手が俺の耳の間に触れた。
「時々君がうらやましくなるよ、」
見上げた俺に視線を返したヒューは、小さな笑みを浮かべてをじっと見つめていた。
うらやましいのはむしろ俺のほうだ。の顔を覗き込みながら否定するように低く喉を鳴らすと、ヒューは小さく声を出して笑った。
さっきよりも和らいだの表情が見える。このままうなされず、朝までゆっくり眠ってほしい。
淡い期待を抱きつつ、俺はの隣に伏せると目を閉じた。
〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜
衝撃は大きかったと思うんだ。